CASE STUDY事例&成功のヒント

事例から学ぶ成功法則

職員の採用・定着への道のり

人数が少ない時は人の採用・定着が大きな課題です。即戦力はほしいけれども転職者は大きな事務所に行きたがります。一方、退職者が続くとお客様からは、「また担当者変わるのか」と不満が露呈します。

事業が順調に伸びてきたとき、税理士志望の男性を採用しました。しかし、2か月余りで退職しました。次に税理士志望の女性を採用しましたが3~4か月で退職しました。このように人が定着しない状態で、その年は、事業のほうも足踏みしてしまいました。その後も、“なかなか採用できない”、“採用してもすぐに退職してしまう”といったことが続きました。そこで、採用数と定着率を上げるために私が行った取り組みを紹介します。

採用への取り組み

当時の事務所は昭和の香り漂うビルに入居していました。この雰囲気が採用できない理由の一つではないかと思っていた矢先、講演で「物事を判断するときは、これが足りないからとか、もう少し利益がでたらとか、そういった制約要因を一切外して、どうあるべきかどうするべきかのみを考えて決断しないといけない」という言葉を聞きました。そこですぐに事務所移転を決断しました。その結果、採用がしやすくなっただけでなく、お客様にも来ていただきやすくなりました。

定着への取り組み

職員の定着率の低さは、自分にも原因があるのではと思い、職員に心に溜まっている思いを話してもらいました。「不用意な言動がやる気を損ねる。価値観を押し付けている。」など言いたい放題の2時間でした。自分が思っていることの1割も伝わっていないことを強く実感しました。お客様や経営塾の運営など事務所の外ばかりに目が向き、事務所の内部に目を向けていなかったことを痛感しました。

そこで「誰よりも働くこと。常に全職員の幸せを考えること。」を経営計画書に宣言しました。さらに、一人一人の日報、給与明細に感謝や激励のコメントを付けるようにしました。昼食を職員と供にし、職員の誕生日にはお祝いをするようにしました。その結果、短期間で事務所の雰囲気はよくなり、円滑にコミュニケーションをとれるようになりました。そして職員も定着するようになりました。