経営理念について考える
2019.03.20
※弊社がこれまでにお会いした6,000を超える会計事務所の“共通する成功要因”を少しずつご紹介していくコラムです。
突然ですが、事務所に経営理念はありますか?
いろいろな事務所にお伺いしていると、事務所の壁に経営理念を掲げていたり、名刺の裏に経営理念を載せていたりして、経営理念を掲げる事務所が増えていると感じます。では、各事務所が掲げる経営理念にはどのような意味や効果があるのでしょうか。改めて考えてみたいと思います。
まず、経営理念とは、
「経営者が企業経営に対して持つ基本的な価値・態度・信念や行動基準」
とよく言われます。
「経営者の熱い想い」と表現されることもあります。
会計事務所にとって、経営理念とは所長先生の
「何のために事務所経営をしているのか」
「どのような事務所にしていきたいのか」
といった熱い想いを言葉で表したものです。
さて、経営理念の話では、京セラがよく例に挙げられます。
京セラの経営理念は、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」です。シンプルですが、この経営理念には「心をベースに経営をする」という創業者・稲盛和夫氏の熱い想いが表現されています。
このように、熱い想いを経営理念としてまとめることで、経営者は自身の経営に対する想いを再確認できますし、経営理念は、経営の大事な判断をするときの基軸になります。
会計事務所では、所長先生が経営理念を掲げることで、顧問先や事務所の職員が、「所長の考え方にはブレない軸があり、安心感がある」と感じ取ることができるでしょう。加えて、経営理念を掲げることにより、所長先生だけでなく、事務所の職員も含めた全体が経営理念に沿ったブレのない判断ができるようになります。このような組織は「経営理念が浸透している」と言われ、事務所全体が同じ方向を向き、強い組織になります。
また、「経営理念が浸透している」事務所では、先生も職員もとても生き生きと仕事をしている、と感じます。これは、経営理念を基軸として所長先生と職員が共通認識を持って一丸となり「事務所を良くしていきたい」と思っていることが一番の要因ではないかと思います。
まだ経営理念がないという所長先生は、経営理念を作ることを検討してはいかがでしょうか。
また、既に経営理念をお持ちの所長先生は、経営理念をより浸透させるにはどうすれば良いか、改めて考えてみると気づきがあるかもしれません。