※株式会社名南経営コンサルティング 顧問（元名南コンサルティングネットワーク代表）の影山によるコラム。最新のツールや話題のテーマをさまざまな切り口でお届けします。

8月に11億円の資金調達の実施を公表した、M&Aマッチングサービスをwebで展開するtranbi（トランビ）は、年商で1,000～5,000万円前後の小規模事業、スタートアップ、副業を行うものの事業売却に最も適したサイトになるかもしれない。

トランビは元々長野県の工場を承継した経営者が、自社の成長に必要な部門をM&Aで調達しようとして自らマッチングサイトを起こしたのが原点だ。

トランビの特徴は

・譲渡された企業の手数料は無し　→　売り案件として登録しやすい
・譲り受け企業の手数料は成約した場合に3％のみ　→　成約金額が0なら手数料も0
・匿名で案件登録するが売り手・買い手の両社が直接交渉することが可能
・DD等必要に応じて専門家、仲介業者の助言を受けられる

現在のユーザー数は13,303名、累計のマッチング数は6,389件、累計の成約数は1,582件でマッチング数に対する成約率は約25％と非常に高い。ユーザ―には企業の他、金融機関や税理士、仲介業者、各地域の事業承継支援センター等も加わっている。

少し詳しく案件の特徴を見ると

・現在「受付中」の売り案件数は639件
・仲介業者の登録する案件を除いた（企業自身が登録した）案件数は409件
・409件中、266件が年商5,000万円以下の規模
・266件中、飲食関係が43件・web系が69件・その他サービス業が70件

資金調達実施の報道後、ユーザ―の登録が急増しているようだ。顧問先の事業承継対策として案件登録を進めることも必要だが、顧問先の既存事業の拡充策、新規事業の導入策として買い手企業としてサイト利用を提案することも有効になるだろう。