会計事務所の新たな顧問先開拓として
2019.04.25
※株式会社名南経営コンサルティング 顧問(元名南コンサルティングネットワーク代表)の影山によるコラム。最新のツールや話題のテーマをさまざまな切り口でお届けします。
企業の経営戦略のひとつとして、「オープンイノベーション」が盛んになってきている。
大企業からすれば、起業家やスタートアップの斬新なアイデアを取り込み、ベンチャー特有のスピード感を持って、商品開発や新しいビジネスモデルの構築を求めることができる。一方でスタートアップは、大企業の持つ様々なリソース(顧客網、技術、資金等)を活用することで、事業の成長を図りたいと願っている。
こうした大企業とスタートアップのマッチングサイトを運営するのが、crewwコラボである。サイトに登録するスタートアップは4000社を超え、大企業が開催するコラボ案件は既に120件に及ぶ。マッチングの仲介を行うcrewwがコラボに提案された内容の審査を行い、それを通過した案件が大企業との協議に入るという手順で運営されていて、既に協議中も含め、採用された案件は473件に及んでいる(crewwホームページより)
crewwがスタートアップの提案を絞り込むことで、よりブラッシュアップされた企画が大企業に持ち込まれるので、マッチングの精度も高まりやすくなり、スタートアップもプレゼン資料の作成能力が鍛えられる効用がある。
crewwには投資家やエンジニアなど多くのサポータも登録されており、この中には税理士・会計士のサポータ登録が28名、弁護士の登録者は11名いる。スタートアップは必要に応じ、各サポータにアクセスが可能になっている。
名古屋のスタートアップも既に、「起業→イグジット」を経験した先輩経営者の支援を受けてコミュニティを形成し、活動を開始した。そこにも税理士や他士業が後方支援者となっているケースがある。
会計事務所にとって、新たな顧問先としてスタートアップをどう取り込むかは大きな営業戦略上のテーマだ。こうしたマッチングサイトや各地で発生するコミュニティに積極的にアプローチすることも必要になってきた。