CASE STUDY事例&成功のヒント

事例から学ぶ成功法則

お試しサービスを提供する

※弊社がこれまでにお会いした6,000を超える会計事務所の“共通する成功要因”を少しずつご紹介していくコラムです。

今回のテーマは「ステップセールス」です。

私には幼稚園の子供がいます。夏休みに、近所にあるスイミングスクールの1週間短期コースへ行っていました。無事1週間の練習が終わると、担当のコーチから電話ありました。

「お宅のお子さんはとても素質があります。水も怖がりませんし、飛び込みをするにも、潜水をするにも一番積極的です。このままスイミングを続ければ必ず伸びると思います。」

と言われました。これを聞いて私は、

「このコーチは才能を見抜く目を持っている。オリンピック前にスイミング教室に行ったのも運命かもしれない。ここで続けなければ、この子の将来だけでなく、日本の水泳界にとって損失になるかもしれない。」

と思って家族と相談し、継続することにしました。

・・・今回は、能天気な親馬鹿の話をしたいのではなく(笑)「ステップセールス」の話です。

最初、短期コースに行かせることを決めたときには、継続的な本コースへ行かせる気はまったくありませんでした。たまたま夏休みでもあり、1週間くらいなら良い経験になるかも、と軽い気持ちで申込みました。しかし、実際に喜んでプールへ行く子供の顔を見たり、熱心なコーチの言葉を聞いて、気づいたら継続的にスイミングへ通わせることを決意したわけです。

これが「ステップセールス」です。
今回の短期コースのような最初のお試しサービスのことを「フロントエンド商品」とか「ドアノック商品」と言ったりします。まずは、無料または低料金で、気軽に申し込めるようなサービスを利用してもらいます。その後で本命のサービスにステップアップしてもらう戦略です。

税理士事務所にも応用が効きます。普通、(継続を前提とした)顧問契約をする/しない の二者択一しかありませんが、お試しサービス的な短期顧問契約や無料相談があっていいのではないでしょうか?まずは、“気軽な付き合い”から始めて、事務所のサービス内容や品質を確かめてもらってから本契約をしてもらえばいいわけです。

弊社で、経営者向けの財務分析研修を行った時にも同じことがありました。

経営分析のイロハから始まり、最終的には自社の過去3期分の決算書を持ってきてもらって財務分析を行い、いろいろとアドバイスをさせてもらいます。すると多くの経営者の方から、

「今の税理士の先生からは、こんなアドバイスをもらったことは一度もない。契約すると継続的にいろいろと指導してもらえるのか?」

と言われます。おそらく研修を受けるまでは、契約をすることなど考えてもいなかった思います。

ぜひ、みなさんもお試しサービス的なものを考えてみてはいかがでしょうか?