CASE STUDY事例&成功のヒント

事例から学ぶ成功法則

いよいよゾンビ企業は退場するしかないか……

※株式会社名南経営コンサルティング 顧問(元名南コンサルティングネットワーク代表)の影山によるコラム。最新のツールや話題のテーマをさまざまな切り口でお届けします。

10月26日に開催された財政制度等審議会の「歳出改革部会」での会議資料を見ると、財政サイドから見たコロナ対策の今後の方向が見て取れる。

資料では、今年10月21日までのコロナ対策支援の主なものを列挙し、

  1.  持続化給付金:給付件数約362万件、給付金額約4.7兆円
  2.  家賃支援給付金:給付件数37万件、給付金額約3200億円
  3.  資金繰り支援:日本政策金融公庫等の貸付額13.6兆円
  4.            民間金融機関の貸付額24.8兆円
  5.            うち、実質無利子・無担保融資14.6兆円

こうした緊急対策の結果、売上高が大幅に減少したものの、上記給付金等や雇用調整助成金及び緊急融資等で、中小企業の入金額は増加、原材料費等の減少や納税猶予・公共料金の支払い延期等で、事業性の出金額は減少、結果としてPL上での利益は大幅に減少したものの、CF上では5月ごろから改善傾向にあり、倒産件数も低い水準にある。
こうした前提に基づいて、今後の方向としては

  1. 持続化給付金及び家賃支援給付金は予定通りに終了すべき
  2. 資金繰り支援については緊急事態における中小企業の事業の継続を支援する点で意義が認められると評価する一方で、支援の長期化は中小企業の新陳代謝を著しく阻害するおそれがあるとし、緊急時の対応からポストコロナ社会の「新たな日常」に対応する前向きな取り組みに対する支援の移行を検討すべきとしている。

前向きの対応として

  1. 廃業希望が増加する中での事業承継支援、特に第三者承継を軸に
  2. IT導入補助金等について中小企業の真のデジタル化・DXの促進が示された。

売上が回復せずに借入残高が増えるゾンビ企業には退出してもらい、事業承継後の支援及びデジタル化に積極的な中小企業の支援を明確に打ち出した会議資料になっている。